登録の事後的代理人の事務所移転時の扱いについて

事務所を移転する可能性が出てきました。以下の手続が必要とかと思います(何か忘れているかも、気付いた方コメントください)。

①特許庁への住所変更届(これにより弁理士ナビの情報も自動更新)
②弁理士協同組合(①とは連動してない)
③WIPO(マドプロ)
④WIPO(PCT)
⑤WIPO(ハーグ)
⑥現地代理人がいない外国登録(マドプロでOAなしで登録されたケース)
⑦現地代理人
⑧税務署

昔と比べてメールでのやり取りがほとんどになっている(実際、郵便受けに特許業務関係の郵送物が入っていることはほとんどなくなりました)ので大部楽になりましたね。

漏れはないかいろいろ考えたのですが、商標登録(特許・意匠でもですが)において、登録後に新たに代理人になったケース(移転登録の後が典型だと思います)はどうかと思ってしまいました。登録に対して無効審判等が請求されると代理人に特許庁からまず連絡が来て、審判の代理人になる意思があるかと聞かれます。これは、法律に基いたものではなく、行政サービスです(権利者にいきなり連絡しても訳わからないですからね)。

出願時の代理人であれば識別番号で管理されているので、上記①の手続で識別番号に紐付いた住所が変更されるのでそれでよいのですが、登録後に新たに代理人になっていた場合はどうなるか気になったので特許庁に聞いて見ました。回答は、住所とは関係なしに、名前で検索した登録メアド宛に第一報が行くので(登録後に新たに代理人になった登録商標の)代理人住所変更は不要とのことでした。

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Windowsのお節介を解消するWinSetView

今に始ったことではないですがWidowsのお節介機能は困ったものですね。最近特に悩んでいたのは、フォルダー中の音声ファイル(.wav等)の数が増えると、エクスプローラがフォルダーの属性を勝手に「ミュージック」に設定してしまうお節介です。コラムに、アルバム名とかトラック番号とか表示されてもしょうがないんですけど。そして、肝心の更新日時やサイズといった情報が非表示になるのでいちいち設定し直さないといけません。動画制作等で多数の音声ファイルを扱う時に非常にやっかいでした。

レジストリをいじってフォルダー属性を常に「ドキュメント」にする方法はネットに出ていますが、いつのまにか元に戻ってしまいます。しょうがないので、ChatGPTの助言にしたがい、WinSetViewというツールに頼ることにしました。エクスプローラの表示設定を強制的に固定化してくれるツールです。エクスプローラをフックしたりとかそういうことはしておらず、レジストリの書き換えフロントエンドして機能しているようですが、なぜか元に戻ってしまうというとはなく快調に使えています。どのフォルダーも詳細表示かつ更新日時で降順ソートに強制設定できるので大変便利です。もちろん、アイコン表示で見たいといった場合には、都度、切り替えることも可能です。

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【2025年版】スマホ機種変(Android間)時の落とし穴

知財に関係ないガジェットの話です。最近、メインのスマホをPixel 7aからXiaomi 14T Proに変えました(Xiaomiはコスパ最強です)。

いつもそうですが、機種変時のデータ移行は何かなくしそうで怖いです。それでも、今はほとんどのデータはクラウドに保管されているので、昔よりは大部マシになりました。昔は、機種変のたびに、写真なくしたり会員カードのポイントなくしてたりしました。必ず何かなくすのは携帯の引越しも家の引越しも同じなんてことを言っている人もいました(デイリーポータルZの林雄司さんだっけな?)

ということで、動画、画像、メッセージ、メール、通話履歴あたりは、キャリア提供の移行ツールとクラウドで問題なく移行できます。それでも注意したい点がいくつかあります。

①LINE
これも、昔はトラブルの種でチャット履歴や画像をなくしたりしてましたが、最近は大部楽になりました。Yahoo!のプレミアム会員(自分はキャリアがソフトバンクなので自動的にプレミアム会員です)向けの移行ツールを使うと、チャット履歴や購入スタンプ等々全部漏れなく移行できます(最初からこういう風にしてくれや)。

②Suica
これは昔から要注意なのでよくわかっています。旧端末でいったんサーバに残高を預けて新端末で復旧すればすみます。他のFELICA系アプリも同様です。

③Authenticator(2段階認証)
これはちょっと盲点でした。最近は、セキュリティの観点から2段階認証はSMSではなく、スマホの専用アプリで表示されるワンタイムパスワード(OTP)を使うケースが増えました。これの引継ぎが必要ですが、少なくともMicrosoft Authenticatorでは、新端末での設定をするために旧端末のOTPが必要なので、その時点で旧端末を返却・リセットしていると詰みます。ログイン状態を維持に設定しておくとしばらくは問題なく使えていて、クッキーの有効期限が切れたタイミングでOTPを求められる可能性があるので特に要注意です。

④Google Mapのタイムライン
これも盲点です。Google Mapのタイムライン(過去の自分の行った場所の記録)は、プライバシーの観点からだと思いますがクラウドではなくデバイスに保存されるように仕様が変わっています。旧端末でバックアップを取って新端末でインポートするという作業を旧端末があるうちにやっておかないと昔のタイムラインが消えます。気にしない人もいると思いますが、後であの日はあそこに行ったなあなんてのが見られると楽しい気もするので自分は残しておきたい気がします。

⑤スマホ用電子証明書搭載サービス
スマホでマイナンバーカードの一部の機能を使えるようにするサービスです。自分は使ってないんで関係ないですが念のために書いておきます。証明書情報をスマホのSecure Elementに書き込むので機種変時は特別な操作が必要です。

あとあまり一般的な情報ではないですが、次回機種変時用の自分用備忘録として書いておきます。
自分はスケジュール管理にOutlookを使っています。これをAndroidの標準カレンダーアプリに同期する方法ですが、昔はExchangeサーバにログインしてどーしたこーしたというやっかいな操作が必要でした(機種変のたびにはまってました)。今は、Outlookのアプリをスマホにインストールして、Outlookアプリの設定でカレンダーの同期をオンにすると、標準カレンダーアプリの方でも、Outlookのカレンダー表示可能になりますので楽ちんです。いつもこれを忘れて苦労しています。

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審査請求の手続きミスにおける怖い事例

裁判所サイトの知財関連判決例、たまに、手続上のミス(期限徒過等)で却下された手続の救済に関する裁判が見られます。ほとんどの場合、どんなに理屈をこねても救済されることはありません。まあ、これは出願人または代理人の瑕疵なのでどうしようもないところです。

しかし、これはちょっとかわいそうではという判決がありました。時系列としては以下のようになります。

1.PCT(外国語国際出願)の日本国内移行

2.翻訳文提出前に(国内移行と同時に)審査請求

3.出願番号通知および(2の審査請求に対する)出願番号特定通知

4.翻訳文提出

5.国際出願日から3年経過

6.2で行った審査請求が手続却下され出願は審査請求未請求によりみなし取り下げ

ここで、6の手続却下を取り消すよう特許庁を訴えたが請求棄却となったという流れです。

翻訳文提出後でないと審査請求はできないのは特許法に明確に書いてあるので、手続上の瑕疵であることは間違いないですが、これって、2に対して早目に手続却下してくれれば気付いた話ですよね(この事例では2から6まで11カ月かかっています)。しかも、2の後に出願番号通知や2の手続に対する出願番号特定通知が出ているので、2の手続が滞りなく受理されたと代理人が誤解してもおかしくありません。審査請求期間が終わってから「実はあの(11カ月前の)審査請求は不適法だったので手続却下です」と言われても困ってしまいます(現在ではあれば回復手数料を払えば救済されますが)。特許法上は間違ってないですが、もう少し融通を利かせてくれても良いのではと思います。

私も大昔に外国語国際出願の国内処理基準時前に自発補正をしてしまった時がありますが、その時は特許庁の審査官から「この補正は却下になりますので、国内処理基準時後に出し直してください」と電話が来ました。判決文によれば、審査請求についても、同様に、不適法な手続きの場合、その旨を代理人に連絡するという「行政指導」があるそうですが、このケースについては特許庁はこの「行政指導」に従わなかったことになります(法律的義務ではないのでしょうがないですが)。

まあ代理人としてはこういうこともあるということで入念にも入念な確認が必要ということでしょう。

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特許更新料期限徒過の回復における注意点

弁理士職業賠償保険の事例として挙げられることが多い、特許更新料納付の期限徒過ですが、回復が可能になったのでだいぶ気が楽になりました(手数料が212,100円とバカ高ではありますが)。また、自分で管理していたお客様から期限徒過したけど何とかならないかと相談された時にも対応可能です。

特許更新料の場合には追納期間の期限徒過の回復ということになりますので、倍額特許料+回復手数料ということで結構な金額が必要になります。また、回復した翌年の更新料の納付についても気を付けなければなりません。

たとえば、2024年の4月1日が特許の10年目の更新料の納付期限だったとすると、倍額期間は2024年10月1日までなので、回復は2025年の10月1日まで可能です(もちろん、故意でないこと、期限徒過を知ってから2カ月以内であることが大前提です)。気を付けないといけないのは、この例で言うと、2025年の4月1日に11年目の更新料の納付期限が来てしまうことです。

10年目の回復手続の結果を待っていると、11年目の更新料納付が追納期間あるいは追納の回復期間に入ってしまう可能性があります(2年連続で212,100円は痛いですね)。回復手続の結果待ちは結構時間がかかります。以前、PCT国内移行期限徒過で使った時は回復を認める通知が来るまで4カ月かかりました(年金の場合もそれくらいかかるのかは不明)。

これを防ぐためには、10年目の更新料を回復理由書と共に納付した直後に11年目も納付しておくことが必要です。なお、この場合に、同じ納付書で10年目と11年目を一緒に払ったりとか、インターネット出願ソフトで10年目更新料と11年目更新料を同時に支払ったすることはせず、必ず時間差を付けてくれと特許庁年金担当に口をすっぱくして言われました。

この点は特許庁のサイトにも出ていますが、同じ内容をわざわざ郵送でも通知してきました。結構間違える人が多いのかもしれません。なお、ないとは思いますが、回復が認められなかった場合は、納付済特許料も回復手数料も全額戻ってきます。

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