17歳で28億円をゲットしたプログラマーは特許出願をしていた

ロンドンに住むニック・ダロイシオ(Nick D’Aloisio)という17歳の高校生が、自分で発明したニュース記事サマリー・テクノロジーの開発企業を米ヤフーに3000万ドル(約28億円)で売却したというニュースがありました(参照記事)。17歳で28億円(本人にではなく会社にですが)というのも驚きですが、ニュースのサマリー手法というかなり枯れた領域でもイノベーションの余地が残っていたという点も驚きです(遺伝的プログラミング関連のイノベーションのようです)。

これだけの価値があるテクノロジーなので当然特許出願はしているだろうと思ってNick D’Aloisioを発明者としていろいろ検索してみましたが見つかりません。本名ではない(もちろんNicholasでも検索してます)のかとも思いましたが、単にまだ出願公開の時期が来ていないようです。一般のニュース記事から検索すると少なくとも以下の事実がわかります。

2011年9月1日付けの記事(英文)では、“We’ll definitely have that patent done to make sure we lock down that IP”と特許出願をする予定であることが未来形で書かれています(なお、主語がWeなのは、未成年なので親が法定代理しないと出願できないからだと思います)。

そして、2012年1月16日付けの記事(英文)では、”patent pending”(特許出願済)の技術をMITの研究者に調べてもらい、業界標準のテクノロジーの性能を30%上回ることを検証してもらったと書かれています。

また、2011年12月17日の記事(英文)でも複数の特許が”patent pending”であると書かれています。

上記から少なくとも2011年9月1日から2011年12月17日の間に何件かの特許を出願したと推定されます。通常、出願内容は出願日から1.5年後に公開されるので、遅くとも今年の6月頃までには公開されるんじゃないかと思います(米国にしか出願していない場合は非公開請求が可能ですがちょっと考えにくいパターンです)。

まあ、いずれにせよ、以前このブログでも書いた発明を企業や投資家に売り込む前には特許出願しておけという鉄則は守られています(当たり前ですが)。


最後にまったくの余談なのですが、先々週@ITに書いた「5分でわかる特許」という記事で、特許化の対象になり得るアイデアの例を説明した箇所で奇しくも:

文書中の重要な個所を判定するアルゴリズムが明確化されて、それが本当に斬新なものであれば特許にできる可能性が出てきます(ただ、現実にはこのような文書解析のテクノロジは長い間にわたり改良を続けられてきているので、いまから斬新なアイデアを思い付くのは困難でしょう。本当に新規性・進歩性のハードルをクリアしたいなら、まだ「キャズム」を超えていない分野を狙うべきです。)

なんて、書いてしまいましたが、ちょっと現状認識が違ってましたね、どうもすみません(@ITの記事の方は後日追記するかもしれません)。教訓は「もうイノベーションの余地はないと思われているような領域でもイノベーションの種は残っているものだ」ということです(と矛先を変えますw)。

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