「色彩のみからなる商標」出願一番乗りはあの会社のあの色

商標法の改正により2015年4月1日から音の商標、色彩のみから成る商標等のいわゆる「新しいタイプの商標」が出願できるようになったのは既に何回も書きました(5)。出願一番乗りグループについては既に公開公報が発行されたという特許庁のプレスリリースが4月14日付けでありました。

4月1日から10日までで音の商標166件、色彩のみの商標203件、位置商標106件、動き商標37件、ホログラム商標3件の計515件の出願があったそうです。商標は先願主義ですし、大企業にとっては出願費用は知れていますから、多くの企業が速やかに出願することになったのはうなずけます。

前記プレスリリースには代表的な出願の例が載っています。また、番号一覧も載っていますので、J-PratPatの「商標番号照会」メニューから詳細を検索することも可能です(「商標出願・登録情報」メニューでは商標のタイプを指定して一括検索する機能もあるのですがなぜかそこからは検索できず、番号を逐一いれないと検索できません、まだデータベースの準備が整っていないのかもしれません)。なお、音の商標については、音源の提出がされるまでは出願公開されないようなので、出願番号や出願人は(出願人自身が公表しない限り)まだわかりません。

色彩のみの商標の例を見るとなるほどなあという大企業の有名な色の出願が多く見られます。代表例はプレスリリースを見ていただくとして、ここでは、色彩のみの商標の出願第一号をご紹介します。久光製薬による商願2015-29831、サロンパスのパッケージの色ですね。色味をまねた箱の便乗製品は結構ありそうなので、保護を求めるのは当然と言えます。

商願2015-29831商願2015-29831

商標出願第一号を狙って、代理人弁理士先生が残業して日付が切り替わってすぐに出願したのでしょうか。前述のとおり、音の商標についてはまだ出願公開されていないのでどの企業が出願しているかはわかりませんが、久光製薬が「♪ヒ・サ・ミ・ツ」のサウンドロゴを出願しているのは別報道で明らかなので、音の商標出願一番乗りも久光製薬になるのかもしれません。

これから数カ月経過後「新しいタイプの商標」の審査結果が順次出てくると思いますが、特に「色彩のみから成る商標」については使用による識別性があることが事実上の登録要件なので、特許庁がどの程度の著名性を閾値として審査するのかは興味があるところです。

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