ソフトウェア特許の取り方入門(1):特許化の対象になる「発明」とは

これから何回かに分けてソフトウェア関連特許の取得方法について書いていこうと思います。目的は当社(当事務所)の宣伝です(笑)。あと、金沢工業大学の「知的特論」という講座で特許法を入門者に教えることになりましたので、その辺で漏れがないかの確認でもあります(ということで、よくわからないところがあったらどんどん質問して下さい)。さあ、どんどん強力な特許を取ってfacebook、Apple、Google等に一泡吹かせようではありませんか(半分冗談、半分本気です)。

さて、何か発明をして、それを特許化するまでには大きく以下の3つの関門をくぐる必要があります。別にソフトウェアに限らず何の発明でも一緒ですが、私はソフトウェア関連特許専門でやっていこうと思ってますので、ソフトウェア関連発明を例に取って話を進めていきます。

1.特許法上の「発明」に該当すること

2.新規性

3.進歩性

これ以外にも、そもそも技術的に実施可能であること、産業上役に立つこと、公序良俗に反しないこと等々の要件もありますが、比較的自明なのでここでは省略します。

このエントリーでは、1のポイントについて説明します。

特許法では発明を以下のように定義しています。

第2条1項 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。

ポイントは「自然法則を利用した」という部分です。別の言い方をすると単なるビジネス上の取り決めは特許の対象にならないということです。たとえば、「老人向けSNSサービス」というアイデアはビジネスモデルとしては斬新かつ有効かもしれませんがそれだけでは特許の対象にはなり得ません。

では、いわゆるビジネスモデル特許はどうなのかというと、実は日本ではビジネスモデルそのものは特許の対象になりません(その一方で、ビジネスモデルを実現するための情報システムは特許になり得ます)。過去においてはこの辺にちょっと混乱があって、たとえば、結婚式の引き出物をその場で受け取らず後で配送してもらうというアイデアが特許化されたりしていましたが今ではそのようなことはありません(なお、この「引き出物」特許も後に無効となっています)。

ソフトウェアに話を戻すと、単なるアルゴリズムだけでは特許法上の発明とは言えず(自然法則を利用していないから)、ハードウェアを含む情報システムとして記述しないと特許化の対象になりません。この辺は明細書を書く上でのテクニックで対応できるところです。ただし、ビジネス上の取り決めをそのまんま情報システムで実現しただけであれば1の要件は満足されても、どちらにしろ3の進歩性の要件を満足することはできないので、どちらにしろ特許権を取得することは不可能です。

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