Appleと特許ゴロがタッグを組んだ!?

Appleが特許戦略において(特にAndroid陣営に対する特許戦略において)きわめてアグレッシブであることは改めて言うまでもありません。しかし、そういう前提で考えてもびっくりするような記事がTechCrunchに出ていました。

“Apple Made A Deal With The Devil (No, Worse: A Patent Troll)”(Appleは悪魔と契約した(いやもっとひどいぞ特許ゴロと契約したのだ))という記事によると、米国のDigitubeという会社(特許のライセンスだけをビジネスにしている会社、要はパテントトロールです)が、RIM、HTC、LG、Motorola、Samsung、Sony、Amazon、Nokiaなどを特許侵害でITC(米国国際貿易委員会)に訴えているのですが、 その根拠となった特許権のうちの2件が今年の初めにAppleから譲渡されたものであったようです。

ここまでは事実関係です。さらに、記事中では、なぜAppleがこんなことをしたのかをTechCrunchの中の人が類推しています。

シナリオ1.AppleはDigitubeをいわば鉄砲玉として使っている説:特許訴訟をすることでイメージが悪くなることを恐れている会社であればこのようなやり方はありかもしれませんが、Appleは既に積極的に特許訴訟をしているので、わざわざ他社に委譲しなくても自分自身で訴訟すればよい話なので、このシナリオは考えにくいのではとしています。

シナリオ2.Digitubeが最初にAppleに特許侵害の警告をしており、Appleはそれに対する防御策として自社特許を譲渡した説: 「これあげるから訴えないで、俺らを訴えなきゃ他に何に使ってもいいから」という感じですね。TechCrunchはこのシナリオの方があり得そうだとしています。

また、EFFの弁護士の意見として通常「特許を(ライセンスでなく)譲渡するのは企業がよほど金に困っているケースだがAppleはどう見てもそういう状態ではない」というコメント(あまり役に立たない)も紹介されています。

TechCrunchの記事では検討されていないもうひとつのシナリオとして、私としては「Android陣営からの逆訴訟によるクロスライセンス和解をやりにくくするため」という要素もあるのではと見ています。特許訴訟における防衛策のひとつとして訴えられた方が別の特許で訴え返して最終的にクロスライセンスに持ち込むという手があります(実際、MotorolaやSamsungはAppleを訴えています)。ところがパテントトロール相手ではこのクロスライセンス戦略が使えません(パテントトロールは特許ライセンス以外の商売をしていないので、特許権侵害で訴えられることがないからです)。

当然ながらDigitubeもAppleもこの件についてはノーコメントなので真実はわかりませんが確実に言えることは「Appleはエグイ」ということであります。

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