拙訳ジェフリー・ムーア『エスケープ・ベロシティ』絶賛発売中です

『キャズム』、『ライフサイクルイノベーション』等、ハイテク業界の戦略関連本を数多く著わしている米国のコンサルタント、ジェフリー・ムーア氏の最新作『エスケープ・ベロシティ』を翻訳しました。Amazon等で絶賛発売中です。

『ライフサイクルイノベーション』の出版直後にTeradataのイベントで基調講演をしたムーア氏と立ち話をする機会がありました(関連ブログエントリー)が、その時は同氏は「今、『Web2.0企業のためのキャズム本』を書いている」と言っていました。しかし、結果的にそういう方向性ではなく、ハイテク業界の大手ベンダーにフォーカスしたビジネス戦略本というムーア氏の元々の得意分野での書籍になりました。

『エスケープ・ベロシティ』というタイトル(原著タイトルも同じく”Escape Velocity”)ですが、脱出速度(別名、第二宇宙速度)という宇宙工学の用語であり、ロケットが地球(惑星)の重力圏を脱して宇宙空間に飛び出していくために必要な速度のことです。これを「過去のしがらみ」や「業界の常識」から離れた新たな差別化を実現するために必要な戦略にたとえたわけです。

脱出速度を超えなければどれだけ運航しても地球を回り続ける(そして、最後には地球に衝突する)ように、企業が現状維持の安全策を取っているだけでは決して差別化は達成できない。差別化達成のためには脱出速度に相当する「大胆な賭け」を行なわなければならないというアナロジーであります。

本書の位置づけですが、今までのムーアの著作の集大成的内容になっています。その割にはページ数がそれほど多いわけではないので、ちょっとはしょり気味のところもあり、ムーアの過去の著作を一通り読んだことがないとちょっと理解が難しい箇所があるかもしれません(翻訳上もがんばりましたが原文にない言葉をあまり勝手に付け足すこともできないのでつらいところです)。

ということで、何回かに分けて本ブログで内容の解説を書くことにします。また、本書(日本語翻訳版)のfacebookページも作ってみました(イイネ!よろしくお願いします)。本読んでよくわからないところがあった場合はブログ記事にコメントしていただいてもよいですし、facebookページのWallに書き込んでいただければ翻訳者としてできる範囲で回答します。同じような質問が多いようでしたらまとめてムーア氏に直接聞いてみるかもしれません。

さて、脱出速度の話はあくまでもアナロジーでありフレームワークではありません。脱出速度達成のために本書で紹介されている重要なフレームワークが「力の階層」(Hierarchy of Powers)と呼ばれる考え方です。

「力の階層」とは、戦略立案をレイヤーごとに分けて考えましょうということであり、以下のようになっています。

  1. カテゴリー力
  2. 企業力
  3. 市場力
  4. 製品力
  5. 実行力

死にかけのカテゴリー(たとえば銀塩写真)で強力な製品を開発してもあまり意味がないように、脱出速度達成のためには各階層がシナジーを生むように全体的な戦略を立案する必要があります。そのためにはどうすればよいかというフレームワークとヒントを提供するのが本書の主な目的です。

「力の階層」についてムーア氏本人が講演した映像を掲載します(許可がもらえたら日本語キャプション付けてみる予定)。

各階層について今後このブログで簡単に説明していくことにします。詳しく知りたい方は本を買ってくださいね(笑)。

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