ソフトウェア特許の取り方入門(3):進歩性について

今回は、おそらくは特許取得の上で最大の難関となるであろう進歩性の要件について説明します。

進歩性とは、発明の技術分野における一般的技術者なら誰でも思い付くようなものではない画期的な発明であるということです。いくら今までにないアイデアであっても、誰でも思い付くようなアイデアに特許としての独占権を与えるのはおかしいのでこれは当然です。進歩性に関しては明確な境界線があるわけではないので、どの程度画期的であればよいかを判断するのは難しいですが、ソフトウェア関連発明の場合にはたとえば以下のような発明には進歩性がないとされ特許化することはできません。

1) 既知のアイデアの他分野への適用
たとえば、効率的なデータベース検索のアイデアが既に知られている時にこれを音楽ファイルの検索に適用しても進歩性がないとされます。

2) 既知のアイデアの一部を同等の機能で置き換え
たとえば、既存の発明のキーボード入力の部分を携帯電話からの入力に変えただけでは進歩性がないとされます。

3) ハードウェアで既に実現されている機能のソフトウェア化

4) 人間が行なっている既知の業務の単なる情報システム化

5) 既知の事象の仮想空間内での再現

6) 既存システムの単なる組み合わせ
複数のシステムを統合して新たな価値を生み出すことはITの世界では日常的に行なわれているので組み合わせによほど斬新な特徴がない限り、進歩性がないとされます。

要は「その発想はなかったわ」と思わせる要素がないとダメということです。私見になりますが、たとえば、GoogleのAdSenseなどはサーチとネット広告という既存の技術の組み合わせですが「その発想はなかったわ」に相当する、つまり進歩性があると考えてもよいのではないかと思います。

具体的にどういう発明であれば進歩性のハードルを乗り越えられるかは実際に特許化された発明を分析してみるとだいたい感覚がつかめると思います。いずれ、当ブログでもいくつか事例をご紹介する予定です。

次回は、特許出願のために具体的にどのような準備をすればよいか、またお金はいくらかかるのか(これは重要ですね)について簡単にご紹介します。

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